無銘(傳、丹州綾部信一) 0100004
鑑定書 日本刀保存会
長さ68.5cm 反り1.8cm 穴1 280000(税別)
鎬造 丁子刃 刀身重量805g
元幅33.6mm 先幅23.4mm 元重7.6mm 先重5.0mm
丹州綾部信一 とは加藤信一。丹波国綾部藩の藩工。運寿是一の門人。江戸でも作刀している。
鎬造、庵棟。よく詰んだ小板目。焼幅広めに頭のそろい気味の丁子刃足がきれいにはいる、匂出来。鎺元に生刃を残す。運寿是一の同様匂出来の丁子刃が見事。
時代は文久頃(1861~)。文久といえば政局が江戸から京都に移り、薩摩藩のゴリ押し、長州の暴走、(後の)新撰組幹部一同の上洛と、いわゆる幕末、みんなが大好きな幕末の始まる頃である。
江戸打ちか綾部打ちか特定する術はないが、江戸なら講武所全盛の頃、綾部打ちなら丹州綾部藩は九鬼家19500石で御所の警備にあたってるので、それらの求めかと想像は尽きない。
現状、砥は古いがその砥の手法と製作年代からの時間(約150年)を考えると、もしかしたら幕末当時の砥のままかもしれない。